この1週間 続き。

その同じ29日の夕方・・・
早めに切り上げ、帰宅して晩御飯をさあ食べようか!・・・家族みんな食卓につき・・・

あれ?●●は(長男)?                       以下・・・長男

寝とっちゃない? 起こして来い! ・・・・・おらんよ!  へ?コンビにでも行ったか?
さっきまでおったやん、まぁいいたい、よし先に食べよう!
飯を食べ終わり、俺はチビを風呂に入れた。このとき確か8時位・・・・
風呂から出てきた俺に長女が・・お父さん長男がまだ帰ってこんよ!

はぁ?マジかよ! よし、そこら辺をちょっと見てくる。俺は自転車でマンション周り、近くの商店街、大濠公園、西新と一時間ほどグルグル回った・・・・いない。家に電話するけど帰ってない。
この時点で9時半過ぎてる・・・

普段学校から帰ると犬の散歩くらいしか外に出ない長男だけに、これはおかしい!
なんかヤバイかもしれん! 近頃の日本各地で起きてる様々な事件の事考えると、
俺はもう迷わず近所の派出所へ行った。
事情を話して捜索願いを手配してもらうために。

派出所のお巡りさんは30分ほど話して、正式な手配は中央署に行ってくれと言う、
はぁ!?最初にそれを言わんか!どアホ!!と出掛かったのを飲み込んで急いで
中央署に行った。この時点で仕事中の嫁に状況を伝える・・・11時になってる。
無事手配を済ませ、思い当たるところを片っ端から探し回る・・・たまたま嫁の店にお客さんと
飲みに行ってた俺の親父とお客さんも探し回った・・・・

午前1時・・3時・・・・4時・・・・おらん。 もうどこを探したらいいか解らん。
夜が明けた・・・おらん。 いらん考えが次々過ぎる・・・嫁もそうだろう。

中学に連絡する、先生達もできること総出でしてくれた・・・
夜が明けるまでに、見知らぬ色々な人たちに聞いた、公園でウロウロしてた若い社会人らしき
二人組み、福岡タワー前でたむろしてたヤンキー達、コンビ二・・・・
この公園の二人は仕事が待ってるにもかかわらず、後輩たちも呼び出して夜明けまで
探し回ってくれてた・・・ヤンキー達の中の一人の女の子から朝7時ころ電話があった
「私、九女高の生徒なんです今から学校行きますんで、先生に話して全校生徒に協力してもらうよう頼むから、長男君の写真をください!」と言ってくれた・・・

30日朝9時頃・・・・まだ見つからず。

探せるところは探し尽くした、あと何が出来る? 
友達達に連絡した・・人が集まりそうな機関などに長男の写真と特徴を書いた紙を
配って見かけたら連絡くれと頼んで回った・・・

30日昼過ぎた・・・

あちこちから連絡が入り始めた・・・大濠公園の管理事務所(売店)のおばさんからは
「私達は長男君とは友達なんです、もう4年くらいの・・・涙・・皆で話し合って何か協力させて
ください!」 西公園の組合長さんからは、「町内に連絡して回りました、何か他に出来ることあったら連絡ください」・・・商店街のひとからも・・・・
どうも、長男は犬の散歩がてら地域の大人達と随分仲良くしていたみたいで、
みんな長男の事をよく知ってる・・・・

学校から連絡があった、長男の友人の話によると、期末テストの結果が悪くて、
「はぁ・・帰りたくないなぁ」と学校帰りに言っていたとの事・・・
これを聞いてほんの少しホッとした・・・とりあえず事件に巻き込まれていきなり居なくなった
んでは無い・・・自分の意思で帰らなかったんだ。と思ったから。

でもどこにいるんだ・・?  30日4時過ぎた俺は西公園、嫁は大濠公園をもう一度
隅から隅まで探すことにした、雨が土砂降りになってきた、雷も凄い・・・・

6時半ころ・・嫁から電話が・・西区の金武(日向峠)の人から「●●中学校の生徒という
子供がいる」って学校に通報があったらしい・・・先生達は今向かってるって!
俺達もすぐ向かった、向かいながら中央署に連絡しまたいなくなったらいかんから、
西署か早良署からパトカー出してくれ!って頼んだ。

俺らが金武辺りについた頃中央署から俺に「たった今、名前も確認し長男を保護しました、早良署の方に連れていきます、無傷で元気です、よかったですね!」と連絡が入った!

全身の力が抜けて感情が抑えきれなかった。

早良署で俺の親父、先生達、俺らと長男がほぼ24時間ぶりに会えた。
「大冒険だったな、腹へったか?」「うん」「よし!ラーメン食べて家に帰ろう!」


今回のことで思い知った事、反省事、わかった事が色々あった。

まず、俺達親は自分の子について知らないことが沢山あった、全てを把握してなきゃいかん!
と思ったよ、ホクロの数から、性格、行動、・・・もちろん秘密も多い年頃だけど、そんなの言い訳にならん。人格を尊重できる範囲で全て知らないといかん。

俺らの少年少女時代と比べてはいかんとも思った。
まったく別の時代を生きてると認識せないかん。もちろん自分と比べてもいかん、

地域に密着して生活することの大事さと、ありがたさを痛感した。
いったい何人の人が助けてくれたか・・・・どれだけ心強かったか。

やっぱり友達は沢山いたほうがいい、これは時代は関係ないやろう。

見ず知らずの若い連中があんなに協力しくれる事にも驚いた、日本の未来も明るいよ!


次の日7月1日朝から、お礼と見つかった報告をしてまわった。

不審に思って長男に声をかけて通報してくれた人の所にいった、
実際行ってみると、こんな遠くまで来てたのか・・・と驚いた、目の前は山、その先(そこは)は
日向峠・・・寝ずに歩いたらしい。

その人の家の前で座り込んで溝にいる小魚を眺めていたらしい、
田舎やから、子供の顔はみんな知ってるらしく、見かけない子だから声をかけてくれた。
話を聞いてこれはおかしいと「ズブ濡れで寒いだろ?お茶でも飲んでいきなさい」と
家にあげて、その間に学校に連絡してくれたらしい。

そのおかあさんは俺に話しながら、ポロポロ泣いていた。
同じ歳の子供がいるって。 このおかあさんが止めてくれなかったら、山の中に入って行った
かもしれない。  「本当にありがとうございました」と握手したら、声をあげて泣きんしゃった。

荒んだ、映画やらドラマより恐ろしい時代やけど、いい人が沢山いるね。


そして昨日、オフクロの4時間の手術も無事終わり、この濃い1週間がやっとひと段落した。

余談やけど、執刀医の先生まだ若くて手術前は大丈夫かいな・・・頼りないなぁ・・・と
心配だったけど、「無事問題なく終わりました」とレントゲン見せながら説明する
術後の先生はエライ頼りがいのあってカッコよかったね。俺は惚れたね。先生ありがとう!
by njs2005 | 2006-07-05 13:36
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